心─5

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お婆さんは町内のゲートボール大会に朝早く出掛けて居ない。 テーブルに箸を並べて、朝食の準備を黙々とした。 「もぉー、お休みなんだからぁ もう少しゆっくり寝かせてくれても‥‥」 「何言ってんの!? シン君を見習いなさい」 「はい、はい」 そんな会話をしながらダイニングに二人が入って来た。 「おはよ」 「‥‥はよ」 照れ臭そうに寝起きの顔で挨拶。 椅子に座り朝食を食べながらオバさんが話し掛けてきた。 「今日仕事で日中居ないんだけど、お爺さんの荷物を仕事前に寄って持って行こうと思ってるの。 どうかしら?」 「助かります! 今日、週刊が入るんで店番しなきゃなんないんで‥‥ お願いしても良いですか?」 「えぇ、勿論よ。 多分心配なさってると思うから 家にいる事も伝えるわ。 それと‥まだ必要な物が無いか聞いておくわね?」 「‥‥すみません。 なんか、オバさんに甘えてばかり‥‥」 「だから、お母さんって呼んでいいって」 「ッブゥ─────────!!!」 「っやだ!この子ったら、何吹き出すのよ~」 思いっ切りお茶を吹き出した彼女。 オバさんはタオルで、濡れた場所を素早く拭く。 「おか‥おか‥‥お母さん? 何、言ってんの!?」 「なぁに焦ってるのよ‥‥。 さっきお母さんからそうお願いしたのよ?」 「‥‥‥‥‥」 口を開けたままフリーズする彼女に、俺は事の流れを説明すると納得してくれた。 「最初っから、そう言ってくれれば 私だって誤解しなかったのに‥‥」 「なによ、誤解って?」 「っなんでもない!」 茹でタコになりながら、誤魔化すようにご飯を食べ始めた彼女。 俺は二人のやり取りを眺めながら笑っていた。 ,
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