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必死な俺を凝視した後、溜め息をしながら肩の力が抜けていった。
「‥‥実はここにあるんデス」
観念したように足元のバックを探りながら二枚のプリを俺に差し出した。
「なぁんで素直に出さねーんだよ」
ブツブツ言いながら二枚手に取り見てみる。
まずは四人で撮ったプリクラ。
後ろに栗原と純。
楽しそうにみんな笑ってる。
二枚目を見た瞬間、固まってしまった。
ソレは二人で撮ったモノ。
さっきのと違って、ぎこちない表情の二人。
俺は彼女の肩に腕を回して
恥ずかしそうに笑ってる。
そして
真っ赤な顔で俯いてる彼女。
「そういうのって、恋人にしなきゃ。
私‥‥慣れてないし」
──‥‥だから
見せたくなかったんだな。
‥‥でも、それでも‥‥
「‥‥可愛いじゃん」
「‥‥へ?」
「だから‥‥優奈、可愛いよ」
真っ赤な顔で俯き膝に乗せてた本を触ってる。
「‥‥だから、そういうのも
慣れてないの!
恥ずかしいから止めて?」
「自信持てよ」
「そんなの‥‥あるワケ無いし」
「んじゃ、慣れて自信になるまで
俺言い続けてやる」
「‥‥‥‥‥」
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