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自分の不甲斐なさに泣きそう‥‥
落ち込んでる状況で、ハッと気付く。
私の腕はシンの腰に添えている事に‥‥
──‥‥情けない
なんなんだ。この状況‥‥
例えばこんな風に朝を迎えるなら
両想いになって
話してるうちに寝ちゃって‥‥とか
そんな展開が良いに決まってる。
この部屋は彼の部屋で
しかも呼ばれてもいない私がここに居るって事は‥‥
どー考えても夜這いじゃない!?
はぁ~‥‥。穴があったら入りたい‥‥
落ち込む限り落ち込んでる私を
シンはまたゆっくり私を抱き寄せた。
状況が整理出来なくて
乏しい頭で懸命に考える。
さっきみたいな無造作な抱き方でなく
私を起こさないように
ゆっくり、優しく‥‥包み込むように‥‥
首から廻った手で
くすぐったくなるくらい
ゆっくりと髪の毛で遊び
背中の腕はグッと力を込め
身体を密着させていた。
呼吸をするのも緊張して
益々、自分の手の行き場を無くしてしまう。
薄目で見える視界は
彼の胸で‥‥
寝ていると誤魔化せてるなら
許される気がして
頬をソッと擦り寄せた
と同時に行き場を無くしていた私の腕は
彼の背中に自然と移動。
──ドクン
──ドクン
感じる心音
シンの力強い鼓動
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