なつ

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「かおる君さあ、もーちょっと愛想良くならなーい? ずーっと仏頂面でさあ、楽しくないのは分かるけどさあ、空気読んでよねー。 あたしさあ、かおる君は笑ったらかっこいいと思ってんの。だから、だからさあー」 間延びした、声。 ねちっこい、いや、粘っこい? とにかく、あんまり好きじゃない声。 つーか、語尾を伸ばすな。イライラする。 遅れて行った合コンの帰り、状況がよく分かんないまま、酔っ払いの女を押し付けられた。 コレを持ち帰れってか。コレを。 「かおるくーん。きゃはは。」 何が可笑しいのかきゃっきゃと笑っている。 バシバシ背中を叩かれて痛い。 「家、どこ」 「かおる君ってさあ、かおる君ってゆーより、かおるちゃんって感じ?」 や、意味分からん。 会話が噛み合わない。 あー、だから酔っ払いは嫌なんだよ。
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