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どーすっかな。
道端に捨てる訳に行かないし、適当にラブホにでも突っ込んでおこうかな。
「かーおーるー!
あたし酔ってる?酔ってんのか、あたしいー。
かおる君は酔ってる?ねえー」
…うるさい。
取り敢えずタクシーを拾って乗り込み、近くのラブホテルまで、と告げる。
「かおる君、お持ち帰りする気なんてないくせにー。」
え?
「運転手さん、違う。ラブホじゃない。
次真っ直ぐじゃなくて右ねー。」
運転手に家の場所を細かく伝える。
なにこの人。ちゃんと会話できるわけ?
さっきの時点で教えてくれたら多少は楽だったのに。
つーか、逆方向じゃん。
もうしばらく騒いだあと、やっと静かに船を漕ぎ出した彼女を、そろそろ着く、というときに肩を揺すって起こすと、
「あ、かおる君、その気なっちゃってたあ?
あたしん家来る?」
なんて言い出すから、丁重にお断りしておいた。
つか、そもそも俺、かおる君じゃねーし。
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