彼の始まり

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他人を殺そうとすると自分もまた危険な生物の一つになる。しかし、俺は死にたくなかった。例えどんな危険な思考をしていようと、死ぬきはなかった。 俺は誰かを殺しても許されないが、誰かを殺した俺を殺すのは許されることだろう。 矛盾を感じた、危険だと思ったから殺す…しかし、罪を償うために殺される。俺は何か悪いことをしたか? お前達がクマを殺すように、俺は人を殺す。何も違わない、そう思っていた。 俺はある日、考えてしまった。人を殺す事が「人の道から外れている」と言うのではなく。生物を殺す事が「人間らしい事」ではないかと。戦争もすれば、意味もなく生物を殺したりもする…。俺は人間が怖くなってしまった。
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