19.揺らぐもの、揺らがないもの

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「例え知っていても、話してくれるとは思ってなかったけどね・・・」 ブラッドリーはリリーの言葉を無視し、顔を背ける。 きびすを返し、部屋を出ていこうとした彼が、不意に立ち止まった。 「何故、俺とだけ話をすると言ったんですか?」 相変わらず自分を見ようとしないブラッドリーの背中に、リリーは語りかけた。 「んー、ラヴェンダーの話を聞いて、少し自分に似ている気がしたからかな」 揺さぶりをかけ、あわよくば情報を引き出したい。そんな計算もあったが。 彼に親近感を感じたのも、また本心。 「だから、貴方としか話さない」 ブラッドリーは何も答えず、部屋を出ていった。
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