21.謀議

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だが一方で、彼らを受け入れなければ、この国の民全員が、事実を知らぬまま侵略戦争に手を貸すことになる。 そしていつか、侵略と殺戮の報いを受けることになるだろう。 自分達を頼ってくれたリチャードと、見ず知らずの護国卿、どちらかを選ぶとすれば― 「いいだろう」 ガウェインは微笑んだ。 (頼りにされて、嬉しくない奴なんて・・・いねえんだよ) 「あんたが王になってから、ここの雰囲気は確実に良くなってたからな。それに、コンキスタの民を護るのが、俺らの仕事だ」 リチャードはホッとしたような笑みを浮かべる。 「ありがとう」 「まずはここを拠点にして、味方を増やしていく必要があるんだろうが…」 (そう言えばあそこは…) ガウェインは元・近衛隊長がいると聞いた闘技場の名を思い出し、付け加えた。 「ちいっとばかし難儀するかも知れないぜ」 「どういうことだ!?」 ボースの質問に対し、ガウェインは答える。 「元・近衛隊長さんが今いる闘技場は、8年前にリーダーが代わってから今まで戦士を一度も護民軍に放出したことがねえ。俺も視察にいったが門前払いされた。引き抜きたい人材がいるにも関わらずだ」 ガウェインの表情は、かなり厳しいものだった。 「ボース、お前も名前ぐらい知っているだろう。あそこのリーダーは、かつて護民軍史上最強の兵士長と謳われた男、エドマンドだ」
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