22.再会

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4人は護民軍高官が"視察"に来た時にしか使えない特別席へ入った。 闘技場の一番上にあり、周囲から視界が遮られているため、ここならばリチャードとボースも存分に話せるとガウェインが判断したのだ。 「随分賑わってますね」 リチャードは呟いた。 司会進行を務めるのは、茶色の髪の美少年。 戦闘は徹底的にショーアップされており、観客が存分に楽しんでいるのが伝わってくる。 「俺も初めて視察に来た時は驚きましたよ。ここは闘技場としては珍しく血生臭いこと一切禁止ですから、観客も安心して楽しめるんでしょうね」 そう言ったガウェインに向かってボースが話しかける。 「女も男も、強い戦士が多いな。さっきの赤毛の美女とツンツン頭の一戦は見応えあったぜ」 今日は男女混合で戦闘が行われている。先ほどの戦闘は、体格差をものともせず、赤毛の美女が勝利し会場を盛り上げた。 (ツンツン頭の青年も相当強かったが、ボースから見ると、いかんせん集中力を欠いていたのかツメが甘かった) 「だろ?スカウトしたい人材はたくさんいるから、余計に断られるのが痛いんだよ」 「皆さん、そろそろウィルセイの戦闘ですよ」 リチャードの言葉で、3人の視線は一斉にフィールドに注がれた。 司会を務める少年の、張りのある声が響く。 「さあさあ皆さま、お待たせいたしました!!本日の特別試合です」 「まず東の登場口から出てきますは、デビュー戦からわずかひと月で人気ファイターの仲間入りしたこの男。美形な上にめっぽう強い!"神速の貴公子"ウィル!!」 ウィルセイが登場口から出てきた途端、大歓声が闘技場内に響き渡った。 ("神速の貴公子"…!くぅ~、早く隊長いじりてえっ!!) ボースは危うく吹き出しそうになるのをどうにかこらえ。 (本人はさぞ抵抗しただろうな) リチャードは真顔のまま、心の中で呟き。 「きゃーっ、ウィル様ぁ~!」 「今日もすてき~!」 (女性の声援の方が多いのね) ラヴェンダーは、ほんの少しムッとして。 (すげえ・・・男前ってすげえ!!) ガウェインに至っては、よくわからない感心の仕方をしていた。
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