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「・・・っとに、最初っからそう言ってくれりゃ、ガラにもないこと言わずにすんだのによ」
ジョーは呆れたような笑顔で言った。
「てなわけでウィル。満場一致でお前についてくことに決定したわけだが…覚えとけ。俺たちが戦うことを決めたのは、王様やお前のためじゃない」
ぽんとエドの肩を叩き、ジョーは無駄に格好よく言い切った。
「エドさん、あんたのためだ。元々あんたに拾われた命だ。俺たちあんたになら、喜んで命を預けるよ」
「あー…誰に似たんだか、どうしようもないバカばっかだな」
悪態をつきつつも、エドは微笑んでいる。
ウィルセイは黙ってその様子を見つめていた。
自分には踏み込むことの出来ない強い絆が、エドの心を動かしたのだ。
「エドさん・・・。みんなも」
過去のわだかまりを乗り越え決意してくれたことに、感謝を込めて。
ウィルセイはエドに向かって右手を差し出す。
「私と一緒に来てくれませんか?この街を護るために」
エドはウィルセイの手をとり、固い握手を交わした。
(信じよう)
一人ひとりに出来ることはほんのわずかだとしても、力を合わせればきっと―
この国を護る強固な盾となる。
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