26.誓約

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大広間の中央に集まった者達がステップを踏みだした。 「今日の主役はお前だ、ウィル。行ってこい!!」 エドに思いきり背中を叩かれ、踊りの輪に加わったウィルセイをポールが出迎えた。 「ウィルさん、踊れますか?」 ウィルセイは笑った。 以前一度戦士達のステップを見ていたし、酒もそこまで飲んではいない。 「もちろんだ!!」 複雑なステップを難なく踊りきったウィルセイの姿をラヴェンダーとボースは見つめていた。 「あんな隊長の笑顔、初めて見ましたよ」 「ええ。とっても楽しそう」 リチャードとレティシアは、楽しそうに手拍子に参加している。 エドとガウェインは酒を飲みながら、踊りの輪を眺めていた。 弦楽器が加わり、メロディーは速度を増していく。 ジョーはリズの手を(どさくさに紛れて)握り、踊りの輪の中心に進み出た。 周りにいる者達が盛んに口笛を鳴らし、二人をはやし立てる。 ジョーは単独で、素早くステップを踏み、リズも負けじとジョーを上回る速度で華麗な足さばきをみせる。 ポールと共にジョーとリズの踊りを楽しんでいたウィルセイは、ボースが自分の許までラヴェンダーを連れてきたことに気づいた。 「隊長、奥方様とダンスはどうっすか?」 ボースはにやにやしながらウィルセイを促す。 隣にいたポールをちらりと見ると、彼はにこっと笑い、ウィルセイの背中を押した。 「ウィルさん、行ってきてください!!」 ウィルセイはラヴェンダーの手を握った。 「ラヴェンダー、行こう」 「ウィルセイ!?ちょっと待って…」 「ちゅうもぉーく!!今日の主役が登場するぞー!!」 ボースが大声で叫ぶと、元・近衛隊員達が応えた。 「ウィルセイたいちょー!!」 「あ、隊長の、ちょっといいとこ見てみたい!!」 戦士達も負けじと声を上げた。 「いいぞー!!美男美女カップル!!」 「ジョーなんて蹴散らしたれー!!」 護民軍のメンバーからも声が上がる。 「綺麗な奥さんうらやましいぞぉ~!!」 「この幸せ者っ!」
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