27.この素晴らしき世界

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「アメジスト家の庇護の下、ぬくぬくと育ってきたあんたが、偉そうに正義を語るな」 容赦ない殴打と蹴りの連続。 やがてブラッドリーが血まみれになって倒れてもなお、リアムは攻撃の手を緩めない。 (壊してやるよ) 圧倒的な暴力で、二度とその忌々しい瞳が開かないように― 「リアム…もうやめておけ。殺してしまっては、面白くない」 朦朧とした意識の中で、ブラッドリーはどうにか視線を上げる。 リアムを制したのはジョン王だった。 「例え成分がわかっても、この薬はそう簡単に精製出来ない。お前が何をしようとも、我々が有利である事に変わりはない」 ジョン王は、リアムに薬の入った瓶を渡した。 「・・・とはいえ、裏切りの代償は払ってもらうぞ」 リアムは冷たく笑い、もはや抵抗することも出来ないブラッドリーの頬を片手で掴み、口を開かせる。 そして、薬を流し込み、無理矢理飲み込ませた。 (ウィルセイ…) 次に会う時には、対等な立場で。 全力で戦いたかった― 「さらばだ、ブラッドリー・アメジスト」 ジョン王の声が、遠くから聞こえて。 ブラッドリーの意識は、昏い闇へと飲み込まれていった。
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