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「起きてください、将軍!」
「なによエリス…まだ真夜中じゃないの」
「なに言ってるんですか!今夜は夜間演習ですよ!」
「あら…そうだったかしら?」
「もう部隊の準備は終わってますよ、早く支度してください。」
私は、エルフェニア王国第7師団のドラグナ隊隊長のエルフィーネ。
彼女は、副隊長のエリス。
そして私達が率いるドラグナ隊は飛竜の機動力と魔法の火力を組み合わせた新兵科なの。
「相変わらずエルフィーネは夜間演習には時間通りに来ないな。」
「何よエリンスト、少し遅れただけじゃない。」
「うぉっ いつの間に!」
「30分は少しとは言いませんよ、エルフィーネ」
「私より遅いのは感心しませんね」
「申し訳ございません、エリシア師団長」
今居るのが第7師団の面々
まずエリンスト、イージス隊隊長で師団きっての怪力、だけど魔法が使えない脳筋エルフなの。
次にヒュンター、ウィンディーネ隊隊長で師団の参謀役、いつも冷静で様々な危機から師団を救ってきたわ。
そしてエリシア師団長、普段は物静かで優しいのだけれど、いざ戦闘となると興奮して誰にも止められなくなってしまうの。ちなみにドラグナ隊を考案したのも師団長なのよ。
「この度の演習は対ゴブリンを想定したものです」
「ゴブリン…ドワーフではないのですか?」
「えぇゴブリンです。」
「しかしなぜゴブリンなんですか?今更脅威でも…」
「実は、彼等の一部がこの前の戦いで私達の魔法弾幕を突破してきたのを見たものが居るのです。」
「まっ…まさか…」
「そのまさかです。」
「ですが彼等には…」
「可能性があるとすればシャディス公しかいないけれど…」
「奴は三年前の内戦で死んだはずじゃねぇか…」
「そのはずよねぇ…」
「わからないことは後にして例の部隊が出てきた場合の事を考えましょう、皆さん」
「ウンディーネ隊の弾幕を突破できるのなら法撃による足止めは期待できないですね」
「ドラグナ隊の突撃で一掃出来ないでしょうか?」
「私達の突撃は魔法で陣形を崩すのが前提だから例の部隊相手じゃ効果は薄いわ」
「やはりイージス隊しかありませんね」
「しかし数の上で不利だ、狭い場所なら別だが…」
「では私の隊の半分を右左翼に展開しましょう」
「しかし、それでは師団長が…」
「あら?私に対する評価はその程度なのね」
「いえ…そういうわけでは…」
「それでは皆さん配置に」
「はっ!!」
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