一章

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 Yo! Say!  夏が胸を刺激する。  何がひどいって風属性とかいう単語を自信満々に使っちゃうのがひどい。  あんまりだ。  これが流行の厨二病ってやつですか?  ダメですよマンモスさん、鼻からうどん垂らしてちゃ。  思わず現実逃避しかけ、これはいかんと自称妖精の電波こけしに正面から向き合う。  ちくしょう、無表情なのに自信に満ち溢れたその姿がイラっとくる。 「聞くにょー! ウチはコッコケドゥースイナクシャータリアー! 風属性の妖精様だにょ~!」 「大事なことだから二回言いましたってヤツ? どんだけ俗っぽいんスか」 「ふにゃー!」  風属性の妖精様コッコクェドゥースイナクシャータリア、略してこけしは激怒した。  想像してみてほしい、無表情なこけし人形がflying in the sky高くはばたいてガツガツ頭突きをかましてくるというこのシュールな状況。  怖いぜ、怖すぎるぜコッコクェドゥースイナクシャータリア!  こいつはとんだ妖精事件だ!  断じて僕がヘタレだったわけではないはず!
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