49人が本棚に入れています
本棚に追加
「佐奈ちゃん…」
空良は、佐奈に助けを求めたが、佐奈も帰る気はないらしい。
むしろ、期待に満ち溢れた表情をつくっている。
「早く行こうよ!」
佐奈がそう言い、3人は学校に入った。
空良は生真面目に下駄箱で上履きに履き替えた。
その時、すごい音を伴い扉が閉まった。
楓が力一杯押してみるが、開く気配がない。
風の力が強いからだろうか。
ムキになった楓は、近くにあった鉄製の傘立てで思いきり殴りつけた。
ゴンッという重たい音をたて、傘立ては弾かれた。
「なんで鉄でもガラスが割れないんだよっ?!」
楓が軽く叫んだ。
3人とも目をパチパチと瞬き、呆気にとられ驚いている。
男子がケンカしていて、身体がぶつかっただけでも割れるようなガラスなのに、鉄をぶつけて割れないわけがない。
みんなそう思った。
「呪いだよっ!早く出ようよっ!!」
空良が叫んだ。
さすがに二人とも同感だった。
最初のコメントを投稿しよう!