肝試し当日。

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「佐奈ちゃん…」 空良は、佐奈に助けを求めたが、佐奈も帰る気はないらしい。 むしろ、期待に満ち溢れた表情をつくっている。 「早く行こうよ!」 佐奈がそう言い、3人は学校に入った。 空良は生真面目に下駄箱で上履きに履き替えた。 その時、すごい音を伴い扉が閉まった。 楓が力一杯押してみるが、開く気配がない。 風の力が強いからだろうか。 ムキになった楓は、近くにあった鉄製の傘立てで思いきり殴りつけた。 ゴンッという重たい音をたて、傘立ては弾かれた。 「なんで鉄でもガラスが割れないんだよっ?!」 楓が軽く叫んだ。 3人とも目をパチパチと瞬き、呆気にとられ驚いている。 男子がケンカしていて、身体がぶつかっただけでも割れるようなガラスなのに、鉄をぶつけて割れないわけがない。 みんなそう思った。 「呪いだよっ!早く出ようよっ!!」 空良が叫んだ。 さすがに二人とも同感だった。
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