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「誰かを守ろうって気持ちが知らない人を傷付けてしまう。宗教や思想、国のやり方とか」
「………」
子供たちは敬介の話を真剣に聞く。
「だから戦争はおきてしまうんだ……」
敬介は悲しそうに語る。
※
「―――宮下提督」
講習会を終えた敬介はモバイル端末で上官である宮下小次郎(ミヤシタコジロウ)と連絡を取っている。
『ご苦労。どうだったんだ』
「みんなしっかり自分の話を聞いてました。それを見て自分は嬉しかったです」
安堵混じりの声の敬介。
『それはよかった』
宮下も安堵混じりの声だった。
「すぐそちらに戻ります」
モバイル端末を切り、敬介は歩き出した。
※
「明日、艦隊ユリヒメが出ますね。艦長、よろしくお願いいたします」
「そうね」
三十代くらいの男性が若い女性に言う。
男性より女性は若いが女性は男性の上官で信頼していた。
その女性を飛鳥操(アスカミサオ)と言う。
そして操はユリヒメの女艦長である。
「明日、ユリヒメは地球を出る。なんだか楽しみだわ」
「妹さんが応援してくれたからでしょう?」
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