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ーーー 戻って信康
ああ、眠い…。
昨日は緊張して中々寝れなかった。
俺の隣にいる五徳は少し目が腫れているが、ニコニコしていた。
恐らく昨日の夜に泣いていたんだろう。
そりゃそうか。まだ8歳だ。父親や母親が恋しい年頃だ。
そんな子供が見知らぬ土地に1人嫁いで行くのだ。まぁ、お付きの侍女とかはいるけど…。
五徳には寂しい想いをさせてはいけないな。
帰ったら、ウチの亀と富宇を巻き込んで一杯遊ぼう。
父上や母上も五徳が来るのを楽しみにしていたな。
「三郎よ、五徳を頼むぞ。」
「はい!義父上!」
「五徳、今日より松平の御母堂が其方の母じゃ。しっかりと努めよ。」
「はい!父上、母上。今まで御育て頂き有難う御座いました。五徳はこれより松平の妻として御役に立てるよう努めて参ります。」
「道中気を付けるのですよ。」
「「はい!」」
こうして俺たちは義父上や義母上に見送られながら、岡崎に向けて旅立った。
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