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永禄10年。
俺、山田敬太改め松平竹千代は8歳になった。
今から4年前、永禄6年に起こった桶狭間の戦いで、今川家は衰退の一途を辿っていた。
桶狭間の戦いは永禄3年に起こる筈だが、こっちでは永禄6年に起こった。何でだ?
まぁ、時期はズレたが、俺の父 松平元康は混乱に生じて三河 岡崎へ帰還を果たした。
俺と母上、そして俺と年子の妹 亀姫は事実上、今川家の人質となった。
まぁここまでは史実通りだ。
だが、桶狭間の戦いが起こった翌年、永禄7年に母上は今川家の監視の隙を付いて、俺たちを連れて駿河を脱出。
父上のいる岡崎へ逃亡した。
ええ、史実と違います。
母上曰く、父上の迎えを待つつもりだったらしいが、いま三河では一向一揆が起こっているらしい。
こんな危険な状態では流石にマズイのは分かっているが、父上が1人で戦っていると思うと居ても立っても居られず、行動に移したというのだ。
母上もなかなか無茶をする…。
当時俺は5歳、妹の亀姫は4歳。
三河への旅路はなかなか過酷だった。
駿河を脱出した事に気付いた今川家から追っ手が差し向けられた。
そしてこんな乱世だ。
安全地帯などある筈がない。
だから平民を装い、追っ手や武者狩りたちを交わしつつ、何とか三河へ入る事が出来た。
三河へ入ってある村でみんなで休息をとっていると、岡崎から迎えがやってきた。
何と父上自ら赴いた。
父上は俺たちの姿を確認すると、安堵しきったのか、その場に腰を降ろした。
母上が心配し駆け寄ると、父上は容赦無く母上を張り倒した。
感動の再会はさて置き、いきなり夫婦喧嘩を始めたのだった…
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