1.震える心

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―幼い日の自分の記憶が現実のようにはっきりと浮かんできた。                          『あんたがいたからっ!』                                              『ごめんなさっ....』                                              全部、僕が悪いんだ。                                               何も出来ないから。                      .....殴られるのも仕方がない。                                             前に進もうと思っても、いつまでも進めない自分がいる。                  ―す....け。りょ...すけ―                                             誰かが僕の名前呼んでる。                             母さんじゃない。                                 怖いけれど、目を開けてみた。                          目の前にはゆうとくんが心配そうにこちらを見ていた。                                   「良かった....大丈夫?」                                          背中の感触が柔らかいということに今気が付いた。                                        「車内で急に倒れて....大丈夫?」                             「はい....すいません...」                            「いや、謝ることじゃない。それよりこっちが謝るべきかな。....訳もわからず連れてきちゃったから」                               あ...僕のせいで彼が悲しい顔をした。             やめて...そんな顔しないで。                                   「今はまだ寝てた方がいい。挨拶はまた後にしよっか」   僕はまた眠りについた。 
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