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さっきまで血まみれだった手は白い包帯が巻かれていた。 「痛かったでしょ?」 少しだけ頷いた。 「なら、ゆうとの言ったこと分かるでしょ?」 ゆうとくん.....怖い顔...してた。 僕のこと....軽蔑しているみたいに。 「...身体は傷つけても....痛くない」 僕がそういうとゆうりは眉毛を少し上げた。 「....心の痛みなんかより....全然....平気」 のはずなのに... 何で....涙が出るの? 慌てて手でごしごしと眼を拭く。 「涼介....」 ゆうりは僕の頬を撫でて涙をすくい上げた。 「まだ痛み取れてないじゃん....」 冷たく言っているけども優しく... 「全部知ってるつもりなのに....まだ知らないことあるみたい。教えてよ...涼介」 まっすぐ僕を見ていた―。
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