4.遠い明日

5/21
前へ
/78ページ
次へ
ある日のこと。                                        母親は不機嫌な様子で家に戻ってきた。                                          「お母さんお帰りなさい」と言う前に...殴られた。                                        何もわからずただひたすら....殴られた。                                        小さな僕の体には、とても大きな傷だった。                                        その暴力は毎日続いた。                                                ただ黙ってひたすら。                                               何か言われて殴られるより怖かった。                                       沈黙の恐怖というべきであろうか。                                         食事は週に2回か1回程度だった。                                              でも以前と比べるとまだよかったから我慢した。                                     小さなお皿に、ビスケットと一杯の水。                                     お腹の痛みに耐えながらゆっくり....噛みしめた。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加