安田 翔嘉

4/4
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
くるりと方向転換し、車に帰ろうとしていた成瀬は驚いて振り返る。 「もしご迷惑でなければ、携帯番号、教えていただけませんか??お礼がしたくて…」 「お礼なんていいですよ…でも」 「でも…?」 ゆっくりと成瀬が翔嘉に歩み寄る。 「でも、番号は交換させてください」 そういって暗闇でもわかるぐらい綺麗な顔で、成瀬は微笑んだ。 「それじゃ、おやすみなさい」 「おやすみなさい」 そう言って車に戻っていく成瀬さんの背中を見ながら、あたしは胸が高鳴っているのに気づき、慌てて首をふる。 ーーでも、名前とか…番号とか教えてくれたってことは脈アリなのかな… あたしは自然ににやけていた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!