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くるりと方向転換し、車に帰ろうとしていた成瀬は驚いて振り返る。
「もしご迷惑でなければ、携帯番号、教えていただけませんか??お礼がしたくて…」
「お礼なんていいですよ…でも」
「でも…?」
ゆっくりと成瀬が翔嘉に歩み寄る。
「でも、番号は交換させてください」
そういって暗闇でもわかるぐらい綺麗な顔で、成瀬は微笑んだ。
「それじゃ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そう言って車に戻っていく成瀬さんの背中を見ながら、あたしは胸が高鳴っているのに気づき、慌てて首をふる。
ーーでも、名前とか…番号とか教えてくれたってことは脈アリなのかな…
あたしは自然ににやけていた。
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