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自転車を走らせた僕は
まず 駅を探した
滋賀県の近江鉄道は線路沿いに必ず道があった
僕は近江八幡行きの駅を探して自転車を走らせた
最初は急な坂道を上っていき
その後、緩やかなカーブを描いた下り道に入った
そのまま駅に向かって自転車を走らせて20分
ようやく駅に着いた
近江八幡行きの線路を確かめると
線路沿いの道に従い自転車を走らせた
追い風が吹き
自転車を押してくれることが気持ち良かった
昼間なので セミの声はうるさかったが
道沿いに生えている雑草が風になびくところを見ていると
心が落ち着いた
しばらく自転車を走らせていると
横に電車が通った
フオーンという音がなり
ガタンゴトンと音をたてながら真横を通りすぎた
電車に乗りたかったが
貴重なお金を使いたくはなかった
電車はトンネル内入っていったため
僕はその上にある山道を上っていった
かなり急な坂道だったので
自転車を押しながら上っていった
山道なのでセミの声は更にうるさくなった
しかし風になびく木々の音は
自然に集中力を取り戻してくれた
ふと足を止めて
空を見ていると 綺麗な青空の中に白い雲がゆらゆらと飛んでいた
僕はそれを見ていると父がこの青空を見ているんだろうかと少し黄昏ていた
黄昏ている内に山道が下りに変わり
坂道を自転車に乗って下っていった
坂道を下りる時の風はとても気持ちよく
身体全体が涼しく感じた
そして坂を下りきると
線路が再び見え初め
それに沿って再び自転車を走らせた
周りは田んぼがいっぱい
付近は田舎町だった
というのも滋賀県自体が農業が盛んで 農業校もいくつかある
僕は自転車を止めて
しばらくその風景を見ていた
風になびく田んぼの苗は
緩やかな波を描いていた
僕はケータイを手に取り
その風景を撮った
そして僕はまた自転車に乗り
ゆっくりと走らせて
風景をみていた
凄く心が和やかになり
懐かしい気持ちになった
そしてそのまま風景を楽しんでいると線路を見失ってしまった
僕は慌てて地図を確認して近くに何の駅があるか確認した
八日市駅が近くにあったので
僕はそこに向かった
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