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元々、小さい頃から将来の夢なんて無くて、物覚えは早かったみたいで周りの子どもを冷めた目で見てたら孤立してた。
大人たちは親が居ないから心に傷をおってる、なんて言ってたが正直俺のしつけが面倒だったんだと思う。
と、こんな感じで俺の人生を振り返ってみたが、そろそろ飛び降りようかと思う。
「あーさみぃ、冬のダムは薄着で来ちゃいかんな…ずずっ」
鼻水垂れそうだから、早めに飛び降りるかな、前々からどうせ死ぬならダムホールに入ってみたいと計画してた。
真っ黒の渦が夕焼けに照らされてオレンジ色に縁取られ、あまり怖いと感じない。
ここらへんも他人とは違うって事なんだろうな、普通に感性の違いか。
まぁいいや、三村さんには今までお世話になりましたってちゃんと遺書残しといたし。
「さよなら現世、もしあの世か来世があるなら…俺のことはそっとしといて下さい」
ふっと風の抵抗を受けながら、なんの躊躇いも無く寒くて暗いダムホールに身を投げた。
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