それは学園一日目の夜のこと

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「くそっ……!ユウキめ……」 ユウキにからかわれて不機嫌な俺はベッドの上で両手を後頭部に添えて寝転がりながらぶつぶつと文句を垂れている。 ベッドの頭付近に置いてあるサイドテーブルに備え付けている魔力を使って光りを放つランプが部屋の中を淡く照らしている室内で、俺は天井の木目をじっと眺めている。 大体ユウキと初めて会ってからまだ一週間ほどなのにこの俺の扱われようはなんなんだ……。 「何が寂しくなったら来い、だ……。本気で勘違いするやつが出るような言い方をされると困る……」 本気で言っている訳では無いとわかっているから普通にスルーしたがユウキは警戒心が無さすぎだ。 まるで同性と話しているかのようにフランクに接してくれるのはいいが………度が過ぎるというか、なんというか……。 (遊び道具かなんかに思われてたりしてな……) 本当にあり得る話だから笑えない。
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