―はじまり―

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「よろしく! 生徒会長! あ、滝谷? 絢斗(けんと)って下の名前でも良い?」 「――好きにしろ」 土足でプライバシーに浸入してきそうだが、 他の生徒に迷惑をかけるぐらいなら。 ――1週間ぐらい、我慢するしかないな。 こんな責任感が強すぎる自分が嫌になる。 だが、ストレスが溜まる他人との共同生活だったが、 一日目は、風呂から上がったら既に葉山は眠っていた。 ピンクの抱き枕は床に放り投げ、2段ベッドの柵からは足や腕がはみ出ていた。 安心しきった油断した顔なのに、眉毛は依然つり上がったままだ。 仕方がないので、勉強用に使っていた膝掛けをお腹にかけ、俺は2段ベッドの上で眠った。 鼾はそこまで気にならなかった。 ……だが、確かに普通の人よりは五月蝿かった。    
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