224人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「よろしく! 生徒会長! あ、滝谷? 絢斗(けんと)って下の名前でも良い?」
「――好きにしろ」
土足でプライバシーに浸入してきそうだが、
他の生徒に迷惑をかけるぐらいなら。
――1週間ぐらい、我慢するしかないな。
こんな責任感が強すぎる自分が嫌になる。
だが、ストレスが溜まる他人との共同生活だったが、
一日目は、風呂から上がったら既に葉山は眠っていた。
ピンクの抱き枕は床に放り投げ、2段ベッドの柵からは足や腕がはみ出ていた。
安心しきった油断した顔なのに、眉毛は依然つり上がったままだ。
仕方がないので、勉強用に使っていた膝掛けをお腹にかけ、俺は2段ベッドの上で眠った。
鼾はそこまで気にならなかった。
……だが、確かに普通の人よりは五月蝿かった。
最初のコメントを投稿しよう!