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ここはガイアという名の剣と魔法が栄える世界。
その西の大陸の北の果て、暗雲立ち込める魔王が治める魔界と呼ばれる土地。平地は少なく鬱蒼と茂る森が広がり、その山脈の頂きには人々を恐怖の底に陥れる魔王が棲むと謂われる城が聳え建っている。今日も今日とて勇者が魔王を討ち取らんとやって来る。
???「魔王様、勇者がやって参りました。」
今、音もなく現れたのは私の側近を勤める男。名をヴェルフェルトと言う。男と断定してはダメですね。奴曰く性別は無いと言っていましたし。
そう言えば、私が誰だか言っていませんでしたね。私はこの城の主、魔王をやっている者。名をレオナルド。周りからはレオンと呼ばれています。
レオン「…またですか。まあいいでしょう。今回は私が一人で迎え撃ちます。貴方たちは手を出さないように!」
レオン「何もしないで王座まで誘導してください。」
そう告げ、執務机に手を着き立ち上がり椅子に掛けてある上衣を纏い歩き出す。
ヴェル「しかし!」
レオン「しかしもかかしもないです!無駄に傷付かないことに越したことはないのですから。」
レオン「私は無益な殺生はしません。」
ヴェル「魔王様…くれぐれも怪我のないように」レオン「ふふ」
レオン「心配には及びません。最近の勇者は弱すぎます。瞬殺で送り帰して差し上げます。」
ひらひらと手を振り玉座の間を目指す。
部屋につくや否や玉座に深く座り勇者を待つことにした。
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