魔王とエリンジュームの華

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レオン「あの、ジェイ。最近この辺りで悪さをしている魔物の噂を聞いたことないですか?」 酒を傾けながら、他愛ない話題のように話しかける。 ジェイ「んあ?」 レオン「今も変わらず情報収集は趣味なんでしょ?」 ジェイ「…覚えていたのか。昔の事なのに」 レオン「当たり前です。ジェイのお陰でどれだけ私たちは助けられたことか」 ジェイ「最後は俺達を置いていったけどな…。ま、仕方ないよな?北の魔王んとこだったし。当時はあそこの魔王は最悪魔王のレッテル貼られてたからな」 一瞬寂しそうな目で語るが次の瞬間にはいつものおどけた感じになっていた。 レオン「あの時は…ああするしか考えられなかったんです。すみません。……そうですね。今思えば馬鹿なことをしたと思います。話せばよかったんですね」 どれ程謝っても足りないであろう。 当時最悪魔王と呼ばれていた北の魔王。実際、会ってみれば北の魔王は優しかったし…世間の噂はあてにならないと実感した実例ですねあれは。一緒に行っても問題はなかっただろうし連絡くらいはすればよかったと、やはり今なら思う。 過ぎてしまったことを今さら言って悔やんでも時間が戻るわけではないが、先程のジェイの表情を見ると後悔が押し寄せる。 ふと気づくと、思い出したのか ジェイ「ここから少し西にいったとこに森の国へと抜ける山がある。最近そこに魔物が住だして旅人を襲っていると噂がある。山越えした方が森の国へ行くには断然近道だ。そこを魔物に襲われると迂回するのに10日はかかる。死人はまだ出ていないらしいが…ほっておくにはちょっとなぁ。そろそろ討伐依頼を出そうかと思っていたんだが」 レオン「個人でですか?」 ジェイ「国兵はあてにならんからなぁ」 レオン「魔物の特徴は?勿論それも調べ済みなんですよね?」 ジェイ「…よくわかっているな」 ジェイ「魔物の特徴は…」
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