魔王とエリンジュームの華

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レオン「あれでよかったのですか?」 ジェイ「ああ大丈夫だろ?あれ以上一緒に居ると何を聞かれるか分かったもんじゃないしな、悪かったな。俺の都合で今日にして…。レオンも楽しみにしていたんだろ?手合わせ」 レオン「相変わらず抜け目がないですねジェイは…。なんでわかったんですか?」 ジェイ「直感。お前さん強いやつ好きだろ?昔から」 レオン「…アルは強そうには見えませんよ?」 ジェイ「だからそこは直感だって。あんな成だがアル坊はなかなかの剣の使い手だ。うかうかしてるとお前さんでも痛い目にあうかもな」ニヤリ レオン「…ならますます手合わせしたかったですね(笑)」 街の中は静まり返っていた。 朝早いせいか昨夜のような喧騒はない。行き交う人は朝の仕入れをする店の者だけだ。誰一人として二人を気にする者は居ない。 軽い荷物だけを持って目的の場所を目指す。 ジェイの話によると西のオアシスからさらに西に行った山に出没するらしい。 しかも人を選んで襲撃すること。余程腕に自信があるというのか…尚且つ長髪黒髪の男が狙われやすいことといいどう見ても私への当て付けが見える。益々お灸を据えねばと思う。 ククっと知らずに黒い笑い声が込み上げる。 ジェイ「お前さんでもそんな顔をするんだな。昔よりは表情豊かになったんじゃないか?人らしくなったと思うよ?昔はもっと感情を殺してたしさ」ニヤリ レオン「そんな事ないですよ?私は今も昔も変わりません。」 ジェイ「そんな顔は見たことない。」 レオン「どんな顔ですか。」 ジェイ「悪い事しそうな顔。」 レオン「あ~。昔はお仕置きなんてしませんでしたからね。」 ジェイ「今はするんだ。」 レオン「そりゃあ今は統括する身ですから。魔物は力関係が重要な時もあります。城の連中は信頼ありますけど地方の魔物になると勝手するやつが多いですからついお仕置きってなるんですよね。なまじいきがってるやつがいるから見せしめ?」 ジェイ「なんで疑問系なんだよ」 レオン「ははっ」
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