魔王、遭遇

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山道を歩くこと小一時間…。 ジェイ「なんなんだ!!この山はーっっ!!!!」 ジェイがぶちきれた。 比較的温厚な彼だがわめき散らかしている。 それもそのはず。この一時間の間に幻想空間に強制招待されること5回。入ったからといって戦闘が始まる訳でもなく、この罠が何の為に張り巡らされているかわからない始末。しかもご丁寧にも高レベルの者しか入れないという。そう、普通の旅人は引っ掛からない。 ストレスは発散されることなく蓄積されていった結果が今である。 レオン「すみません。私のせいかもしれません。いくら気配を消しても高感度センサーには反応するみたいです。」 ジェイ「別にお前さんのせいじゃないだろ。こんな陰険なトラップ?作ったやつが全部悪い!!」 怒りの沸点は徐々に下がり腹いせにか幻想空間を力任せに破るジェイは鬼気迫るものがある。 これを作ったやつは確実に地獄を見ますね。 ま。私も些か怒りがこみ上げるが先にキレられると萎えるというか…怒る気は失せつつある。 またいくらか歩いたらあるんだろう幻想空間への入口。この先どれほどあるんだ?考えただけでも気分が滅入ってくる。 山に入って一時間しかたっていないが休憩を入れたい気分だ。ストレス溜まりすぎて嫌になる。 レオン「少し休みませんか?」 先を歩くジェイに声をかける。 ジェイ「んあ?!」 不機嫌な返事が返ってきた。 レオン「…」 八つ当たりは良くないよ?ジャスティン? レオン「一旦、落ち着きましょうね?お茶でも飲んで」 ジェイ「あー。ああ、そうだね…」 やや気まずそうにするジェイは先程の怒りは収まったみたいで一休みできそうな開けた場所を探し出した。 少し進んだ先に丁度休憩するにはうってつけの場所があった。 薪を寄せ集め右手に魔力を集中させ小さな炎を出す。 小さな炎を出すのは簡単かと思うがこれがまた難しいのは言うまでもない。普通に魔力を解放するのは簡単だ。微量の魔力のコントロールには集中力を必要とする。私位の魔力を持つとなおさらだ。 何故ならば魔力が暴走すると辺りを焦土かすなんて朝飯前。ま、なんにしてもさじ加減は大切だという事。 私の手から離れた小さな炎は薪に燃え移り暖かさをたたえている。 パチッパチッと音を立てて燃える炎。小さな鍋には水。取り合えずはお茶の用意をする。
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