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森の奥をじっと見つめていると、ガサガサと音をたてて歩いてくる者がいた。
???「あれ?お兄さんたちこんなところでどうしの?」
私たちに近づいてきたのは緋が艶やかな髪の持ち主。
ジェイ「! 子供がこんな山に入って何しているんだい!危ないから早く下山しな」
私は訝しげにジェイを見た。
レオン「…どう見ても子供じゃないでしょ?私には青年に見えますが?」
ジェイ「は?なにいってるんだよ!!どっからどう見ても小さなかわいい子供だろ?」
ジェイは冗談は言うが嘘は言わないやつだ。彼には目の前にいる緋髪の青年が子供に見えているらしい。私から言わせると子供ではなく長身の青年だ。髪は肩までで手入れはあまりされていなさそうでやや跳ねぎみ血を思わせる艶やかな緋色。肌は褐色。身なりは…余り良くないな。なぜこんな出で立ちなのにジェイには少年と見えるのか…。どんな風に見えているのかが気にはなる。
かなり高度な幻術を掛けているのだろうが私には通じなかったようだ。
元々、金眼故か邪眼故か幻術系は効いたためしがない。今まで騙される事がなかった。
幻術にかかった者を見るとやや滑稽に見えるのは致し方がないのかもな。
???「黒髪のお兄さんなに言っているの?」
その言葉とは裏腹に殺気が駄々漏れな青年は私を睨み付けていた。
ジェイ「レオン」
レオン「ジェイ。貴方、騙されていますよ?私には幻術の類いは効きません。」
???「あ~あ、つまんないね~。さっきの子にも言ったけど、たまにいるんだよね~。幻術とか受け付けない人間ってさ」
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