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レオン「さっきの子?」
???「そう。ここに来るまでに会った金髪紫眼の~」
ピクッ
レオン「アルに…何をしました?」
自分でもビックリするくらいの低い声。
一瞬にして辺りの気温は下がり重い空気が漂う。
ジェイ「レオン?息苦しいよ。もう少し殺気を押さえてくれないかな?それにアルって…」
ギロっと睨むとガクッと膝をつき抗議をするジェイの姿が見えた。
ジェイ「こっち向くな~。やめて、意識飛びそう」
???「お兄さん怖いね~。ビリビリくる」ニヤニヤ
ジェイ「ちょ、可愛い顔して君さぁレオン挑発するのやめてくんない?レオンもマジやめて。話できないから」
レオン「で、何をしたんです?と聞いているんです。答えたらどうなんですか!」
???「別に~。何もしてないよ?ただ」
レオン「ただ?なんです?」
???「''ボク''なんて言ってさぁ~。あの子可愛いよね~。あんまり可愛いから僕の棲みかに案内しちゃったよ」
ニヤニヤと笑う緋髪の青年に憤りを覚える。
感情とは裏腹に口角が上がるのがわかる。周りにいるいる人間たちは気絶をしているにも係わらず泡を吹いている。
それだけの殺気が放たれていたのだという証拠。今は魔王としての力を封じているからこれで済んでいる。
レオン「…アルを返しなさい。」
???「あの子、アルっていうんだ~。人間にしては珍しい子だよね。あの紫の瞳も余り見たことがない。キラキラしてコレクションに加えようかな?お兄さんはあの子の何?えらく執着してるよね~」
ジェイ「頼む、そこなお子様。レオンを刺激しないでくれ。俺はまだ死にたくない~」
ジェイの懇願は届かなかった。
???「そっちのエルフのひと五月蝿いよ?それにオレはお子様じゃない」
その言葉が終わるか否やジェイにでも判るように緋髪の少年が青年に姿が変わってゆく。ジェイ曰く、緩やかなウェーブがかった髪は毛先だけ跳ねたストレートになり、身長はレオンと然程変わらないくらいになり身なりはだらしなくなった。が、ニヤニヤは止めない。
???「ねぇ。オレと遊ぼうよ?」
レオン「あぁ。遊ぼう…。ジェイ、予定は繰り上げです!! で、アルを奪還します」
???「奪還する?って。くくく。オレ強いよ?」
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