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私は村雨の鞘を握り構える。
初めはこのおいたの過ぎる魔物に少々説教する気でいたが事態が変わったので本気で痛めつける事にした。 どうせ言っても分からないだろうから。今の力なら多少本気を出しても死なない程度だろう。英雄だった頃よりは少し弱いくらいの力量まで力を封じているから。
まあ、後悔くらいはさせないと。
アルに手を出したことを後悔させないと自分の気が収まらない。
ジェイはあいつはあー見えても勇者だから大丈夫とは言うが…。そういう理屈ではない。兎に角、アルに触れたこと事態が気にくわない。
レオン「さあ、かかってきなさい。遊んで差し上げます。」
声音も表情も冷淡になっていく。
ジェイに一瞥をくれると顔色が悪く、今にもどうにかなりそうだ。
ジェイ「レオン?説教しに来たんだよな?」
レオン「変更だと言いましたが?」
ジェイ「殺生はしない主義だろ?」
レオン「もちろん。殺生はしません。…が、死んだ方がマシだと思わせてあげます。」
ジェイ「アルは無事だぞ?たぶん…いや、絶対!!」
レオン「そういうことじゃありません。」
ジェイ「じゃあどういうことだよ?!」
レオン「アルに触れたことは万死に値します。」
呆れた顔で私達の会話に参加する緋色の青年。
???「あのさ~。俺を無視しないでくれよ?それに死んだ方がマシってそんなこと出来るわけないだろ?俺は強いんだぜ?」
レオン「あなたみたいなのが井の中の蛙って言うのですよ。」
私は音もなく村雨を構え男に近づいた。
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