魔王、旅に出る

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ーーーーーーーーーー ーーーーーー ーーーー ーーー 所変わって、魔王城玉座の間 ヴェル「魔王様?御済みですか? って。何処に行かれたのだ?あの方は…」 カツカツ 足音がする方へ目を向けてみると其処には、槍を片手に長い黒髪の黒眼の男がこちらに向かって来ていた。 ???「あれ?側近さん。レオン様は何処に?」 ヴェル「(からす)か…魔王様はお留守のようだぞ」 (クロウ)「だから!!俺の名前はクロウだってば! 何でいつも(からす)って言うんだよ!? …あ。そういえば、勇者君が来ていた筈ですが?」 ヴェル「…」 そんなやり取りをしていると玉座の間の扉が重い音を立てて開いた。 扉からぞろぞろと三人ほど広間に入ってきた。 先に入ってきたのはがたいのよい黒髪の男。続いて黒いローブを身に纏った白銀の者。続いて長い金髪を後ろに流し、瞳の模様が入った布で目隠しをしている者。 後から入ってきた二人はどちらも見た目では性別を判断出来かねていた。 黒髪の男「よう。魔王の気配が消えたが何処に行ったんだ?」 ぶっきらぼうに話す男は魔王の事を自分の上司とも思っていない感じで 話す。 ヴェル「ギルバート!!それにレアとルナじゃないか。どうした?城常勤ではない四天王が集まって」 ギル「勇者が来たらしいじゃないか」 ヴェル「ああ。魔王様がどうにかしたみたいだが…」 レア「レオン様も勇者も消えた…ですか」 ルナ「…」 ギル「勇者を帰すぐらい部下にやらせりゃいいのに…余程暇をもて余しているんだな! 魔王陛下は!!」 この場に居ない上司に嫌みを吐く四天王が一人。 ギル「魔王は帰って来るのか?」 クロウ「帰って来るに決まっているだろ!!」 レア「しかし、わからないですよ? あの方はふらっと出る傾向があるので…」 辺りに沈黙が支配した。 ルナ「大丈夫…もう帰ってくる」 「「「ルナがしゃべった!?」」」 ギル「話せるなら会話に参加しろよ」 クロウ「俺、ルナの声初めて聞いた」 レア「(ニヤリ)私はあります♪」 心無しか誇らしげにいうレア、魔王配下は和気あいあいと魔王の帰還を待った。
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