stage 9

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佑真がドタバタと階段を上ってくる足音がするが 眠気に負けて布団を頭から被る。 「おっきろーっ!!」 ――――はいはい… 布団をはがされ、微かに冷気が体をまとう。 「ご飯出来てるよーっ」 「はいはい…」 あの後、部屋に戻ってゴロゴロしていたら寝ていた。 「おはよー、」 「はよ…って、え?」 「ん?なにー?」 キッチンには 真央でも真実でもなく 真亜矢が立っていた。 キッチンからは良い匂いが漂ってくる。 「もう出来るから座っててー」 「え、2人は?」 「勉強で疲れてるだろうから変わったのー、お父さんもお母さんも忙しいみたいだし、」 「…へー、そっか、」 もう、真亜矢が母親みたいな。 真亜矢がそんなふうになったのはいつからだっただろう。 なんて、 寝ぼけたままの頭で考える。 「はい、」 目の前にご飯と味噌汁、 鮭の焼き魚と厚焼き卵、ほうれん草のおひたし… 「ザ・和風。みたいな。」 「和食は体にいいのよー?」 「いただきます、」 特に文句と言うわけではなくて、 ぱっと見の感想を述べて手を合わせる。 「ん、美味い。」 「でしょう?」 真亜矢が得意気に微笑んだ。
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