stage 9

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「行ってきます、」 見送りのない玄関先で呟いて、外に出る。 「はよ、」 「…、え、」 バタンと 後ろでドアが閉まる音がした。 「…なん、で?」 塀に背を預けて立っていたのは颯汰だった。 「なんでって、…理由はないけど。」 ――――真亜矢の、根回しか… 証拠はないが、なんとなく、そうだと思った。 「とりあえず、行こうよ。」 昔は、俺が颯汰を引っ張っていた。 どこに行くにも 何をするのも そうた、そうたっ なんて、颯汰の名前を意味もなく呼んでは、興味なさそうな颯汰の腕を引っ張っていた。 「…はず、」 「ん?なんか言った?」 「いや…、」 颯汰がこちらに視線を向ける。 俺はそれに気がついていないように首を振った。 「昨日さ、」 「…ん、」 返事がかすれる。 「いきなり怒ったりして、ごめん、 だけど多分、ずっと前から思ってた。」 「…、」
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