stage 3

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実際のところそんな余裕なんか無いわけで そう言ってもらえると 断っていい。ってことで罪悪感が薄れる。 「すいませーん、連絡先、教えてもらえませんっか?」 作られたような声が聞こえて振り向く。 「…。バイト中だから来るなって…」 「見てたよー、今の。」 本屋には絶対合わないような、容姿。 巻かれた茶色の髪。 踵の高いサンダル。 ブランドのバッグ。 つけまつげに塗られたグロス。 露出の多いキャミソールにショートパンツ。 「モテモテだねぇ、」 「そんなこと無いですよ。」 他人行儀に話すと顔を膨らませる。 「可愛くないですから。用無いなら帰ってくださいよ。」 「相変わらず冷たいのね…。」 この女の人。 山崎 遥を横目に本の整理をする。 「待ち合わせが近くなの。時間があったから暇つぶしにって、思って。」 「暇つぶしに俺をからかいに来たんですか?」 「何でそうなるかなー。」 遥が俺を睨む。
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