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「それ以外に何があるんですか?」
「颯のバカ。」
「…俺にどうしろって言うんだよ、」
溜め息を尽きながら、本を抜き、並べ直す。
「颯って彼女つくんないの?」
「うん。そんな暇ない。」
「そか…。」
「時間いいのかよ。」
「え?」
「待ち合わせ。」
「え、あっ。ヤバッ、行かなきゃっ…。またね。」
「ああ。」
「あ、」
行きかけた遥が振り返る。
「バイト頑張ってねー、」
「おう、」
本棚からいなくなる遥は、これから俺の兄貴に会いに行く。
遥にとっての
彼氏。
だからって
なんも関係ない。
俺は金が欲しい。
そのために生きてる。
利益にならない時間はいらない。
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