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「お疲れ様でしたー。」
新しく始めたバイトはカラオケで
学校が終わってから約5時間。
終わるのはだいたい9時になる。
着替えを済ませて店長に挨拶して帰る。
外は当たり前のように暗くて
カラオケの看板が眩しいくらいで、その光に虫が集まっていた。
カラオケは駅の近くにあって、
そこから自分はバスで家に帰る。
「え、あ、優華?」
「…。透真。」
バス停に立っていた人影。
黒髪の綺麗なストレートで白のワンピースを着ている。
まるで、自分の犯した犯罪がばれたみたいな。
絶望的な表情を浮かべていた。
「こんなとこで何やってんの?」
「え、ちょっと、用事があって。」
いつもの口調が虚勢を張ってるように聞こえた。
「そっちこそ。何してるの。」
「バイト帰り。」
「へぇ…。バイトなんかしてたんだ、」
「まぁな。」
努めて明るい口調になるのは癖なのか
なんなのか。
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