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「おはよ、」
むくりと起き上がった彼女に声をかけた。
「こう…、あ、将、…おはよ、」
「…おはよ、飯食ってく?」
「ん、うん…、」
ベッドの周りに散らばった服を手繰り寄せる彼女を横目に朝食の準備をしにいく。
コウタ。
奈々美の彼氏の名前。
なんだかんだで彼氏が恋しいらしい。
朝食はトーストと目玉焼き。それにスープとミルクティ。
「美味しそう…、」
まだ寝ぼけ眼の彼女をみて、口元を緩める。
席について朝食を食べる。
「大学何時から?」
「えっと、今日は11時からだから、一回家に戻るかな、」
「そっか。」
「うん、」
朝食を済ませて間もなく、彼女は帰った。
「気をつけてね、」
「ありがと。じゃ、また、」
「あぁ。」
奈々美が帰ってから、食器を洗って制服に着替える。
家を出る。
空は晴れていた。
建物に囲まれた道を歩く。地下鉄の入り口に拓哉がいた。
「おーはよ、」
「はよ、」
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