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「まだ続いてたんだな、」
「…え?」
「奈々美さんと。」
仲野奈々美は
拓哉の兄の彼女だった。
俺が彼女と初めて寝たのは
拓哉の兄と付き合っていた頃だった。
あの時も
彼氏とうまくいっていなかった。
その彼氏が拓哉の兄だと知ったのは
彼女と寝て二週間がたってからだった。
拓哉の家に遊びに行ったとき
拓哉の兄と奈々美がリビングにいた時に偶然鉢合わせた。
一瞬目があって、動揺した。
でも表情に出すほど馬鹿ではないので、初対面のようによそよそしく挨拶した。
彼女の方は少し動揺を見せていたが、特に気になるほどではなかった。
それですぐに縁を切れば良かったのに。
ずるずる引きずって、
今日みたいに朝に俺の住むマンションから出てくる奈々美の姿を見つけたらしい。
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