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受け付けのカウンターを放置して、
裏方に回る。
用があれば客が備え付けのベルを鳴らす。
「書類ばらしちゃって…、」
申し訳なさそうにするバイトの先輩に大丈夫ですよー、なんて明るく答えて書類を拾い集める。
プリントの下に表示されているページごとにプリントを重ねる。
チリン、チリンとカウンターの方でベルが鳴った。
少し音が鈍いのは、ベルが錆びかけているかだろうか。
「すいません、表行ってきます。」
まとめた書類を机の上に置いて、カウンターに出る。
「お待たせいたしました、何名様で、…、」
「あ、えっとー、」
一番手前の男が振り返って数を数える。
その男のすぐ後ろに
優華がいた――――
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