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「…っと、7人なんで、大部屋空いてます?」
「あ、え、はい。七名様ですね。大丈夫です。大部屋はこちらからお選びください。」
手前の男は、多分高校生か大学生に見えてもおかしくない体格。
後ろにいるのは、
優華も合わせて女子が4人。男子が3人。
男子は小柄だったりするがそれでも男だし、
女子はみんな、女の子って感じだ。
その中に混ざる優華も。
学校で見かけた姿とはかけ離れ過ぎて、見間違いなんじゃないかって思えてきた。
「優華、どれがいい?」
男が優華に尋ねる。
「私はどれでもいいよ。だって歌わないし、」
「だーめ。優華歌上手いんだから。歌うのー。」
優華の後方にいた女が優華の後ろから顔を覗かせる。
「あ、これにしよーよ、」
と、手慣れた様子でテキパキと決めていく。
「では、012号室になります。」
伝票を渡して、7人が通り過ぎていくのを見守る。
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