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結局。
優華と目があったのは一度だけ。
でも、驚いた様子も無かったし
同名でそっくりなだけとか――
そんな可能性を抱いて、カウンターにずっと立っていた。
しばらくして、
優華らしき女と他の女子。それと男が1人。カウンターの前を通過した。
その先にはドリンクが並んでいるからきっとそれだ。
数分して再びその団体がカウンターを通る。
「あ、」
「?、優華どうした?」
女子が尋ねる。
優華らしき女は、にへら、と笑って
「やっぱり、アイスココアにしてくる。」
「OK。早く戻ってきてね、」
「着いていこうか?」
「ううん、平気っ。」
男の好意を断り、優華らしき女をおいて皆が部屋に戻るのを見送った。
優華らしき女は微動だにせず、全員がいなくなると
こちらを向いた。
「ここで、バイトしてたんだ―…?」
やはり、目の前にいる女子は優華だった。
優華は、なんとも言えぬ表情で俺を見つめる。
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