stage 6

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「あぁ。言ってなかったもんな。」 そう言うと、優華は乾いた笑いを漏らしながら 「カラオケ、来なきゃよかった…、」 と、呟いた。 「あの人たち。誰?」 俺の問いに優華が目を見開く。 「…、許婚。と、その友人方。」 「…。」 ――――イイナズケ。 「許婚…?」 「そう。今時おかしい?」 嘲笑うように優華が口の端をあげる。 悲しそうな瞳が俺を捉える。 「悪い関係じゃないから。安心して。」 「…、」 「じゃ、私…行くね、」 ――――許婚って…、なんだそれ。 この時の俺は何が悔しかったんだろう 何が悲しかったのだろう 分からない感情に捕らわれたままのあの時の俺には 優華の気持ちなど 微塵にも気付けるはずもなかった―――
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