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優華たちは二時間でカラオケを出て行った。
これから何をしにどこへ行くのか。
俺が知るはずもなく、
知る権利すらも無い。
会計を済ませるとき
俺も優華も素知らぬ顔で過ごした。
もちろん、誰にも感づかれたりはしてない。
学校では一緒にいる友達が
学校という枠を越えた瞬間。
俺らは他人になった―――
そんな俺は
ただ、楽しそうにはしゃぎながらカラオケを後にする
優華の後ろ姿を見つめる他無かった。
優華の家系は確か、会社員勤めの父親がいて、どこかの部長だったはず。
その繋がりなのだろうか。
俺はその日のバイト中、優華のことが頭に離れなかった。
そして、今日の帰りに出来ることならば、会って話がしたい。
何を話したいかなんか分からないまま、
ただ、会いたい。
さっきのは本当に優華だったのか。
嘘であれ。と願う自分がいた。
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