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中学1と高2。
たかが4歳差。
けれど、その差は大きい。
今は高2と大学生。
「別に、歳上が嫌とかじゃなくて…、別にいいんだけど…、子供って思われるの、嫌なの…」
「…うん。」
「でも、そんなこと言ってる時点で子供なんだけどね、」
そう言って優華は笑った。
その優華の肩を引き寄せたくなった。
その手を必死に俺は抑えた。
優華には、触れちゃいけないと思った。
半端な覚悟と
半端な気持ちと
俺の中は中途半端に満ちていて
優華をどう慰めるべきなのかもわからなかった。
それに、優華の世界に足を踏み入れる勇気なんて微塵にも無かった。
「…、」
「…、」
優華が口を閉じると
沈黙が訪れた。
もとから相槌しかうっていなかった俺は声を無くした人魚みたいに
声にならない感情が体の中で渦を巻いていく。
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