stage 6

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家柄が元から金持ちで いわばそれなりのエリート。 そんな家に生まれて 小さい頃。 本当に、小学生のうちに将来の婚約者を紹介され 結婚なんて想像もつかないままに約束して 大人になっていくにつれて 意味と責任の重さを理解していく。 そして、いつの間にか逃げられない現実と否が応でも向き合って 今はもう半分の諦めを持って毎日をおくっているのだと思う。 俺の考えなんて及ばないくらい 重い責任を背負って生きてきたこの隣の奴に 安易にかけてやれる言葉なんか どこにもなくて 声がつっかえる 「…辛くなんて、ないんだよ?」 俺の心情を察したのか、優華が呟いた。 「高城さん優しいし、婚約の話だって全然。私の気持ち尊重してくれるし、」 優華が静かに早口に話す。 自分に言い聞かせるように、 優華自身を諭すように。 「でもさ、」 言葉が途切れて、数秒。俺は優華の様子を窺った。 「こうして話を聞いてくれる人がいたら、もっと楽しいかな…。」 優華が優しく微笑む。 俺もつられるように、微笑みかえす。 「あぁ、話なんかいつでも聞いてやるよ。」
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