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ピピピ、ピピピ、
「にーちゃーんー…、あ、れ、」
部屋に入ってきた佑真が目を丸くする。
「起きてる…」
「おー、佑真、はよ…」
「にーちゃんが起きてるーっ!!!」
朝から耳をつんざくような叫び声を上げて佑真が部屋を飛び出して、階段を駆け下りる。
俺は唖然としたまま、締めかけたYシャツのボタンに手をかける。
着替えを済ませて下におりる。
「わー…、本当に起きてる…」
「お兄ちゃん頭大丈夫…?」
双子の妹たちにまで心配されるほどに、
俺は自分で起きられないやつなんだろうか…
自己嫌悪になりながら席に着く。
朝食が並べられていて、それを平らげる。
実際、昨日のことが頭に残っていて、
眠れなかった。
朝も同じでさっさと目が覚めていた。
許婚とか、よくわからん。
もやもやと、性に似合わずに考えた結果がそれだった。
許婚の存在も
優華の感情も俺の想像にしか過ぎないし、
考えてもしょうがない。
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