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――――朝からずっと愛想振りまいて、良い奴ぶって…
――――じゃあなんだよ。行きもしないカラオケの約束して、
――――そうやって、愛想笑いとかすんなって。
「…駄目かよ。
って、良いことではないか…」
自虐的に呟き、苦笑いを浮かべる。
校舎は広いといえども
場所は限られる。
ましてや
昼休みのこの時間。
人気が少なく
静かで、飯にありつける場所。
なんてのは、俺の思いつく限りではここ…二階の体育館通路しかなかった。
幸いにも俺以外の人はいなかった。
不意に女子に告白されたことを思い出す。
名前がなんだったか、もう忘れてしまった。
確か、将が名前を知っていたはず。
俺がフった後、どうなったのかを俺は知らない。
とにかく、興味がない。
俺の何を知って、俺を好くのか
何を期待しているのか
なんで付き合いたいのか
そんなくだらないことを一々気にしているときりがないことは知っている。
だが、気にせずにはいられない、
必ず、似たような疑問を抱いて
最終的には
嫌悪感に締め付けられる。
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